不動産コラム
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2008.7.4:Vol.196

2008年路線価の公表

2008年分における相続税・贈与税の評価基準となる「路線価」が7月1日国税庁より公表されました。全国約38万地点のある標準宅地の平均評価基準額は1㎡当たり14万3千円となり、前年の13万円に比べ10.0%増加し、3年連続で上昇となりました。一方、東京都および大阪府については都市部の一部で伸び率が鈍るなど、全国的に上昇気運であった2007年とは状況が異なっています。

全国ベースで、前年8.6%⇒今年10.0%と昨年に続き3年連続の上昇となりました。圏域別では3大都市圏では、それぞれ前年比で上昇しているものの、その変動率は東京都区部や大阪府、京都府などで鈍っており(東京圏:前年13.1%⇒今年14.7%、大阪圏:前年8.1%⇒今年7.4%、名古屋圏:前年9.1%⇒今年10.9%)、路線価上昇傾向に一服感が出てきた面もあります。

都道府県別では東京都が4年連続で上昇した他、千葉、愛知、京都、大阪など3年連続で上昇した地域に、北海道・宮城・埼玉・神奈川・滋賀・福岡を含め14都道府県で上昇しました。一方、昨年から下落の続く27県のうち岩手や島根など11県では下落幅が拡大しました。横ばいから下落へ転じた愛媛を併せ、下落したのは28県となっています。

「県庁所在都市別最高路線価」で上昇となったのは、8年連続の東京(上昇率27.6%)・仙台(同39.8%)・横浜(同38.4%)・大阪(同37.9%)他計25都市となっています。上昇率全国一位の仙台は、他の主要都市と比較して割安感があったためか、不動産投資が集中した模様です。反対に、東京や大阪の路線価最高地点は前年の上昇率を下回るという変化も出ています。

東京都は4年連続で路線価が上昇しました。23区の伸び率は昨年同様2割近い伸びで推移しました(前年18.7%⇒今年18.4%)。更に多摩地区は上昇率が2ケタに拡大しました(前年5.7%⇒今年10.3%)。税務署管内毎の最高路線価を比較して、最も伸び率が高かったのはJR池袋駅東口で33.3%の伸びを示しています。地下鉄副都心線が開業した影響を少なからず受けているかも知れません。

神奈川県内の路線価平均は2年連続の上昇です。前年比では7.8%の上昇、県内全18税務署の最高路線価は全地点で16年ぶりに上昇し、上昇幅も前年比10%以上伸びています。昨年伸びが小幅だった横浜・川崎以外のエリアでも上昇しました。「藤沢駅南口広場通り」や「鎌倉駅東口駅前通り」などでは10%を超える伸びを見せています。

埼玉県の路線価上昇率は昨年の1.7%から6.7%と、2年連続の上昇です。税務署ごとの最高路線価も、昨年2箇所あった下落地点が16年ぶりになくなりました。西武線所沢駅(+24.4%)・大宮駅西口(+20.1%)などは大幅な上昇です。また、川越駅(+15.9%)・志木駅(+10.9%)は、副都心線開業の期待感から上昇しているようです。

千葉県は、前年より6.0%上昇し3年連続の上昇です。伸び率も前年を上回りました。駅前を中心に広範囲で価格上昇となっています。千葉駅前の上昇(+20.0%)がある反面、都心寄りの本八幡駅前では上昇幅が約5ポイント縮小(前年15.9%⇒今年10.8%)するなど、今後の動向が気になるところです。

大阪府の変動率は8.6%とプラスだったものの伸び率で1ポイント縮小しています。東京都区部と同様都心部の一部では上昇率が低下し、路線価上昇に減速感が出てきているようです。

全国平均10%上昇とはいえ、東京圏をはじめとした都市圏に限られ、それ以外の地方圏では多くのエリアでマイナスとなっています。また、直近での下落傾向は、今回の路線価に反映されていない点にも注意が必要です。