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不動産コラム vol.95

■ 天空率の概念について
~改正建築基準法における斜線制限の適用除外制度のイメージ~
今年1月1日から建築基準法が改正されていますが、その中で、斜線制限の適用を除外できる緩和規定が制度化されています。その際の、新しい指標として『天空率』という概念が登場しました。今回は、その『天空率』による斜線制限緩和のイメージを簡単に解説してみます。  
斜線制限(建築物の高さに関する制限=建築基準法56条)の意味
本来、斜線制限は前面道路や隣地の採光・通風等を確保し、良好な市街地環境を確保することを目的として制定されています。対象としては、道路斜線・隣地斜線・北側斜線があります。
ところが、特にこの道路斜線制限の存在によって、日本の都市では「外壁が斜め」になったビルが林立して、お世辞にも良い街並みが形成されているとはいえない現状でした。
 
斜線制限の適用除外
この改正は、「都市の活力ある再生」に向けた規制緩和の一貫として制定されたもので、これにより都市の有効高度利用や民間事業者の創意工夫が発揮される事が期待されています。
<建築基準法56条7> 各斜線制限により確保される採光・通風と同程度以上の採光・通風が確保されるものについては、斜線制限(道路・隣地・北側)を適用しない。
<基準法施行例135条の5> 確保される採光通風の指標として「天空率」を定義。 斜線制限の限度一杯まで建築する場合の天空率と、 計画した建築物の天空率とを比較して、緩和適用 できるかどうかの判断をします。(図2)          
 
天空率は、圧迫感や開放感を説明するのに有効な物理量であって住環境を総合的に評価する基本的な指標とされていて、従来の斜線制限によって建築する建築物と同等以上の天空率が確保されていれば、斜線制限を適用しなくてよいこととなりました。
天空率を測定する地点(右図b)については、基準に沿って複数点を定めた上で、それぞれにおいて同様のチェックを行う必要があります。実際には、ほとんどはコンピューターのソフ トを活用し、計算させることになるでしょう。
天空率を指標とした形態制限の効果として、
1. 現行の斜線制限による場合よりも高い建築物の建築が可能になる。(容積率は緩和されないが)
2. 街並み形成への寄与が期待される
(創意工夫が可能となった)
3. マンション計画には欠かせない手法となる
4. 容積率の充足にもこの検討が必須となるのではないかといった意見が出ています。
なお、道路斜線以外の、隣地斜線や北側斜線に関しても、同様の緩和が可能です。また、道路斜線のみを緩和することもできます。
ただし、日影規制高度地区規制はこの緩和の対象とはならないため、該当する地域の計画に際しては注意してください。       
天空率とは、建物を天空に投影し、それを水平面上に射影した場合の、円の面積に対する空の面積の割合を指します。

 

図1:『天空率』のイメージ
 
図2: 天空率を使った斜線緩和の
    適用検討比較例