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不動産コラム vol.89

■平成15年版「高齢社会白書」より介護の現状について
先頃発表された平成15年版「高齢社会白書」によると高齢化の問題はますます現実のものとなってきています。それと相まって高齢者の介護の問題についても深刻の度合いが増してきています。近年、介護の分野への民間企業の参入が続いています。我々も少しでも身近なものとして捉えていく必要があります。  
総務省統計局の「推計人口」によると、65歳以上の高齢者人口は、平成14年10月1日現在、2,363万人であり、総人口(12,744万人)に占める割合(いわゆる高齢化率)は18.5%となっています。このうち、前期高齢者(65~74歳)人口は1,359万人、後期高齢者(75歳以上)人口は1,004万人となっており、後期高齢者人口が初めて1,000万人を上回りました。高齢者人口は平成32年(2020年)まで急速に増加し、その後はおおむね安定的に推移していきます。その一方で、総人口が平成17年(2005年)頃から減少に転ずることから、高齢化率は上昇を続け、平成27年(2015年)には26.0%、平成62年(2050年)には35.7%に達する見込みです。実に総人口の3人に1人が高齢者になるということです。ちなみに世界の高齢化率は、平成12年(2000年)の6.9%から平成62年(2050年)には15.9%まで上昇するものと見込まれており、今後半世紀で高齢化が急速に進展する模様です。  
さて、高齢者の介護の現状についてですが、まず、介護保険制度における要介護者又は要支援者と認定された人のうち、65歳以上の人数についてみると、平成13年度末で287.7万人となっています。(内訳は、「要支援」・38.5万人、「要介護1」・84.7万人、「要介護2」・53.5万人、「要介護3」・37.2万人、「要介護4」・37.5万人、「要介護5」・36万人です)
在宅の要介護者等の要介護度(要支援を含む)を男女別にみていくと、要支援者、要介護度1、要介護度2の合計は男性が57.6%、女性が63.0%となっており、認定を受けている人の中では女性の方が要介護度の軽い人が多くなっています。なお、最も重い要介護5は男性で10.2%、女性で11.4%となっています。
各種の施設に入所している高齢者についてみていくと、介護老人福祉施設(特別養護老人ホームなど)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設における65歳以上の在所者数は、それぞれ30.6万人、22万人、10.5万人(65歳以上人口1,000人当たりそれぞれ13.4人、9.6人、4.6人)となっています。
施設等に入所している人の要介護度をみると、介護療養型医療施設に要介護度の高い人が多く、平均要介護度は4.01となっており、要介護5の人の割合も43.3%となっています。一方、介護老人保健施設には要介護度の低い人が多く、平均要介護度は3.10、要介護3以下の人の割合は58.0%となっています。介護老人福祉施設は平均要介護度、要介護度別の入所者構成比も両者の中間にあります。
ところで、介護サービスの利用状況についてですが、何らかの居宅サービスを利用した要介護者等は75.6%となっています。居宅サービスの内容をみると、「通所サービス」を利用した人が44.0%で最も多く、次いで「訪問サービス」が41.8%、「短期入所サービス」が12.1%となっています。
なお、白書では、平成15年度において講じようとしている高齢社会対策として、介護サービスの充実を挙げています。具体的には「必要な介護サービスの確保」「介護サービスの質の向上」「痴呆性高齢者支援対策の推進」に取り組んでいく予定です。なかでも「必要な介護サービスの確保」について、平成15年度予算において、特別養護老人ホームを1万4,500人分、介護老人保健施設を7,000人分、ケアハウスを3,700人分、短期入所生活介護(ショートステイ)を5,000人分、通所介護(デイサービス)を700か所、痴呆性高齢者グループホームを4,500人分などの整備を見込んでいます。
近年高齢者介護の新しい取組みとして、サテライト方式が注目を集めています。サテライト方式とは、特別養護老人ホーム等を中心に、周辺に衛星(サテライト)のように小さいデイサービス施設などをいくつも設け、そこで痴呆等の高齢者のケアを行うもので、小規模で地域に密着したケアを行うことが可能となります。このように地域に密着した小規模で多機能なケアが、高齢者介護の新しい在り方として成果を示していくことが期待されています。
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