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不動産コラム vol.58

路線価・10年連続下落! -首都圏や大阪府下げ幅縮小-

2002年分の相続税・贈与税における土地等の評価額の基準となる路線価が8月2日、全国の国税局・税務署で一斉に公表されました。山林などを除いた全国約40万地点標準宅地の評価基準額の全国平均額は1m2当たり12万9千円で、前年の13万8千円に比べ▲6.5%(9千円)下がり、1993年(H5年)以降10年連続での下落となりました。 また、縮小傾向にあった下落幅も3年ぶりに前年の6.2%より0.3ポイント拡大しています。土地の用途別でも住宅地、商業地、工業地いずれも下落しています。

都道府県別の変動率をみると、すべての都道府県で下落していますが、下落率が縮小した都府県が10と前年20から半減したのに対し、下落率が同率または拡大したものは37(前年27)道府県に上り、地価の下げ止まりは遠のいた感があります。 また、下落率が5%未満となったのは、前年の16都県から10都県にとどまっています。

■標準宅地の平均路線価格と年間変動率 (1m2当たり、単位千円、変動率%)
 
02年単価・変動率
 
02年単価・変動率
01年
00年
全 国
129
(△6.5)
東京都
472
(△3.9)
(△4.2)
(△5.8)
東京圏
271
(△5.2)
神奈川県
192
(△6.8)
(△6.8)
(△7.1)
大阪圏
184
(△9.4)
埼玉県
123
(△5.4)
(△6.5)
(△8.0)
名古屋圏
107
(▲7.0)
千葉県
98
(△9.3)
(△10.0)
(△11.9)
その他
66
(▲5.7)
大阪府
205
(△9.7)
(△10.2)
(△10.9)

※△は前年比下落幅が縮小または同率 ▲は下落幅拡大

路線価日本一は17年連続して東京・銀座5丁目「鳩居堂」前の中央通りで、前年より1.4%上昇して1,200万円となっています。今、新紙幣が話題ですが、1万円札一枚当たりの広さではいくらになるでしょうか?答えは14万5,920円となります。1万円札は縦7.6㎝横16cmですので1m2には82.2枚敷けます。葉書1枚では17万8,000円です。

東京駅前のオフィス街で建て替え中の「丸ビル」付近が5.3%上昇して1,112万円になるなど、再開発が進むターミナル駅周辺(東京、品川、立川周辺)、海外ブランドショップが集まる銀座、表参道などの都心部は軒並みアップし、上昇率が10%を超える所もあります。

下落が続いていた大阪、名古屋でも下落率は縮小しています。大阪の御堂筋は下落率が昨年の▲9.1%から▲1.0%に縮小し、阪急梅田駅周辺の再開発の進行とともに上昇に転じるのは時間の問題とみられます。名古屋でも中区栄3丁目広小路通りでも大幅に縮小し、ブランド店が立ち並ぶ同区大津通りでは1.5%アップしています。
(都市圏域別では名古屋圏のみ下落率が拡大しています。昨年▲4.2%→▲7.0%)

都道府県庁所在地の最高路線価は、東京以外のすべてで下落しています。秋田、和歌山、山口など27市で下落率が前年より拡大しているほか、長野、福井、山形、福島の4市は、下落率が▲20%を超えるなど、都市と地方の二極分化がさらに進行していることが窺えます。

下落の主な理由として、不況で空き店舗、空き事務所が多くシャッター通りと揶揄される地方都市の駅前商店街などの既存商業地は、郊外への大型商業施設の進出にともない集客力の低下に拍車がかかり、土地需要は極めて少なく地価の下落に歯止めがかからない状況にあると考えられます。不況と中心市街地の空洞化の深刻さが数字に表れています。郊外住宅地は割安な都心部への回帰の進行で下落の一途をたどっていると分析できます。

一方、再開発事業や交通網が整備された地域等では、利便性が上昇し集客力も増したところではスポット的に路線価は上昇しています。
今後もますます地域格差やエリア選好での格差が鮮明になると予想されます。

 
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