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不動産コラム vol.54

マンション建替え円滑化法 成立

「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」がこのたび成立し、年内12月中には施行されることになりました。
http://www.mankan.or.jp/topix/Topix/20020620.htm

新法成立の背景として、マンションストックの総数は全国で約400万戸弱、約1100万人が居住しており、今後、建築後30年以上のマンション12万戸(H12年)→93万戸(H22年) と老朽化したマンションが急増しするものの、一方では、建替えは全国で約70件にとどま っている現状があります。これから「量的な建替え需要」が発生する時代の要請に即したものといえ、建替え事業環境を大幅に改善すると期待されます。

現行制度では、建替えをおこなう団体の法的位置付けや運営ルールが曖昧で、意思決定や契約行為等が円滑にできない、区分所有権や抵当権などの関係権利を再建したマンションに移行させるための法的な仕組みがないなどの運用上多くの課題があり、建替え決議賛成、その後の条件は不満で、事業そのものが停滞する可能性がありました。

今回の建替え法は区分所有法の扱う範囲以外の事業段階における問題点への対応であり、区分所有法の建替え決議(合意)後の手続きを定めているものです。

建替え参加者が設立する建替組合が法人格をもった事業の実行者となることに特徴があります。区分所有法は建物の保有法ですが、新法は建替え事業法といえます。


建替え円滑法の主なポイント
1.法人格を有するマンション建替組合を設立
  ●法人格を有することで法律行為をスムーズに行なえる
●非参加者への売り渡し請求
2.「権利変換」手法による関係権利の変換
  ●従前の登記内容を再建マンションに一括移行
●権利変換計画への非賛成者の権利譲渡規定
3.外部支援
  ●デベロッパー等も事業主体になる個人施行
●賃借人・転出者の居住の安定措置
●危険・有害状態にあるマンションへの自治体からの勧告


建替え事業を実効のあるものにするには 1.立て替え資金の調達の点(死亡時一括償還融資制度やリバースモーゲージ手法の活用) 2.地価下落による担保価値の低落への対処法   3.容積率に余裕のない「既存不適格」物件(総合設計制度の適用) 4.建替え不参加の区分所有者に対する売渡請求時の「時価」の定義など 多くのハードルがあり、経済的負担の解決支援をはじめ関連法規や制度の整備等木目細やかな対応が望まれます。

尚、区分所有法は今秋改正予定です。建替え決議の五分の四は従来どおりですが、「老朽化の定義が築後30年(40年)以上、修繕費用が建替費用の二分の一以上かかる建物」など、 決議要件が見直され手続きが明確化される予定です。

今後、建物更新ビジネス市場の拡大を中心にして、建物管理市場の活性化や新築マンションの水準も向上すると予想されます。しかしながら諸方策は整備されても、事業の着実な推進には、所有者側の依存体質からの脱却と関係事業者側の経験や技術の蓄積が大きな課題といえます。そして関係者には従来にもまして熱意や資質が求められることになるでしょう。

 
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