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不動産コラム vol.53

「若者、都心にとどまる」 −首都圏白書より−

このたび公表された国交省の2002年版首都圏白書によりますと、東京都心部への人口の回帰が鮮明になってきました。 東京都区部においては転入者数、転出者数ともピーク時には年間60 万人を超えていましたが、その後、転入、転出ともに減少を続け、近年は転入、転出とも30万人台と移動規模は縮小してきました。その間、常に転出が転入を上回る転出超過の状態で推移していたため、東京都区部の人口は減少していました。

これは国勢調査に基づいて「東京都区部」について、年齢5歳階級別人口の移動の増減を、5年間の年代別に分析した結果です。1985年〜90年では、20 代後半が△18.5 %と減少していましたが、95年〜2000年では、20代後半は△0.1%減に留まっています。 同様に30 代前半△16.2 %→△3.0 %、30 代後半△12.3 %→△2.3 %と減少幅が縮まっています。 1990 年代後半から、こうした状況に変化が現れ、転入者数は横ばいから微増に留まっているのに対し、転出者数は大きく減少しており、平成9年から転入が転出を上回ってきました。 

転入超過に転じた要因としては、結婚や出産をきっかけに郊外へ転出していた20代後半-30代後半の世代が都区部にとどまる傾向にあるといわれています。 すなわち都心回帰現象に拍車をかけているのが20代、30代の「第二次ベビーブーム世代」といわれる人たちで、その世代が子供をもつようになっているからではないかというものです。

しかしながら、6/7公表の厚生労働省・01年の人口動態統計を見ますと、必ずしもそうとも言いきれないようです。1人の女性が生涯に産む子供の数(合計特殊出生率)は前年より0.03ポイント下がって1.33(なかでも東京1.00、神奈川1.22、埼玉1.24、千葉1.24と平均を大幅に下回る)となり、過去最低(99年の1.34)を更新したからです。

また、もう一つの背景には価格横ばい・面積拡大の分譲マンションとワンルームを中心とした賃貸マンションの増加で、「若い世帯の都心居住の受け皿が広がっている」のが大きな要因であることは間違いありません。

マンション供給戸数は二、三年先まで高い水準で推移するのは確実と見られますが、結局は「都心回帰現象は経済の微妙なバランスの上にあり、景気に左右される部分が大きい」との指摘もあります。

一方、白書は各国主要都市との比較を行い、東京の魅力を探っています。 東京都区部の鉄道の路線密度は最も高く鉄道網の整備が進んでいるものの、地下鉄は混雑率も高く、全般的に東京の交通網の弱さが目立つとの結果です。 また、文化・芸術分野の評価は低い評価。東京のどこが好まれるかでは「新宿、渋谷、池袋」は欧米3都市居住経験者に、「幕張、横浜MM21」はアジア3都市居住経験者という傾向が出ています。
 
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