不動産コラムトップ  >  Vol.220
不動産コラム 地価や不動産の法律・税制、時事の話題などの情報を、さまざまな視点から解説・紹介しております。
コラムトップ 不動産価格 税金 法律・制度 社会動向 その他の話題
バックナンバー一覧
2010.2.27:Vol.220税金

※各制度の活用に際しては、税理士等の専門家にご相談の上実行して下さい。

「小規模宅地の評価減」が変わる(22年度税制改正:資産課税)

22年度の税制改正のうち、通常の取引にはなじみの薄い項目が、この相続税関連の租税特別措置法の改正における、「小規模宅地の評価減の改正」です。改正というより、中身としては、特例による軽減の一部廃止を意味するもので、相続が発生すると影響を受けるケースが出てきそうです。なお、一連の税制改正の内容は、今回の通常国会を通過しないと正式には確定しませんので注意願います。

  • 今回の税制改正では、贈与税について景気刺激策としての住宅取得の為の緩和措置が盛り込まれましたが、その一方で、相続税に対する緩和措置を見直す動きも出てきています。
  • 「小規模宅地の評価減」の制度は、
    • ・生活の基盤である自宅の敷地を相続する場合では、その自宅を売却して納税するといったことが起こりえますので、最小限の居住の継続をはかれるようにするために。
    • ・個人が店舗や事業を行っている場合に、万一の時はその敷地を売却して事業も廃業するといったことが起こりえますので、最小限の事業の継続性を脅かさないために。
    設けられている制度と言えます。
  • 相続税の計算は、亡くなった人の財産の相続税評価額を算出し、まず相続税がかかるかどうかを判定し(我が国における相続発生件数のうち、実際に相続税がかかる件数の割合は毎年5%前後ですが)、かかる場合には相続税額が算出されます。その相続税評価額の算出の際に、一定の要件を満たす宅地の一定面積についてはその評価を50%引き又は80%引きして、相続税がかかりにくくするという制度です。
  • 亡くなった人が所有する宅地(土地や借地権など)がこの対象となり、下表の「適用宅地の種類」欄に記載された4種類があります。
■軽減措置の対象一覧(要約)・・・このうち網掛けの部分※印は、今回廃止される区分です。
適用宅地の種類 要件 対象面積 軽減率
事業用宅地 事業を継続する場合 400m2 80%
※事業を継続しない場合 200m2 50%
居住用宅地 配偶者が取得 又は
居住の用に継続して供する場合
240m2 80%
※居住を継続しない場合 200m2 50%
特定同族会社の事業用宅地 事業の用に継続して供する場合 400m2 80%
※事業を継続しない場合 200m2 50%
不動産貸付等の用に供された宅地 不動産の貸付を継続する場合 200m2 50%
  • 注1:軽減率80%とは、相続税の為の宅地の評価に対してその20%で評価されることを言います。
  • 注2:相続財産の評価は、国税庁から公表されている「財産評価基本通達」と呼ばれる評価基準によります。
  • 今回の税制改正で、上記の表のうち、※印を付けた網掛けの欄が軽減対象からはずされることになります。すなわち、事業や居住を継続しない場合は、本来の特例の目的にそぐわないので廃止します、ということになります。(この改正は2010.4.1以降の相続/遺贈に対して適用される予定です)
  • さらに、今回の改正ではよくある次の2つのケースでも、軽減適用ができなくなりそうです。
    • (1)共同相続の場合
      これまで、一つの宅地を「配偶者」と「居住継続しない子」が共同で相続した場合、居住しない子の方も80%減額が適用されていましたが、これからは取得した者ごとに適用の判定をすることになります。(この例の場合は、配偶者のみ80%減額となります)
    • (2)一棟の建物の敷地の用に供されていた場合で、居住用とそれ以外の部分がある場合
      これまで賃貸マンションのような建物で、その一室に被相続人が居住しそれ以外の部屋を賃貸していた場合は、貸付用の部分も80%減額が認められていましたが、これからは用途の部分ごとに按分してその判定をすることになります。(この例の場合は、貸付用の敷地部分は50%減額となります)
  • 都心の土地などでは、路線価が高いので、こういった特例制度の一部見直しによって、影響を受けるケースが出てくることが十分に考えられます。

※それぞれの要件の詳細は専門家に確認してください。

ページの先頭へ