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2008.11.10.
相続税法第24条(定期金に関する権利の評価)の改正動向
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株式会社タクトコンサルティング
1. はじめに
最近、来年度税制改正における相続税法第24条の取り扱いについて、よくご質問を受けます。
平成21年度税制改正は、年末の与党税制改正大綱、年明けの政府税制改正要綱を経て、平成21年3月下旬の税制改正法案の成立を待たないと決定しません。ただし、相続税法24条を活用した相続税対策は金融機関関係者の関心が高く、多くの方が改正動向について注目されているようです。
そこで今回は、弊社が情報公開法により入手した国税庁資料(「税制改正意見」)を基に、相続税法第24条の改正動向について解説したいと思います。
2. 相続税法第24条を活用した相続税対策
(1)相続税法第24条とは
生命保険契約や個人年金契約に基づき、相続人が定期金(年金)を受取ることになる場合、相続人は相続により年金を受ける権利を取得することになります。この年金を受ける権利(受給権)の相続税評価について規定しているのが、相続税法第24条です。
(2)相続税法第24条による年金受給権の評価
同じ1億円を受ける場合であっても、年金形式で500万円ずつ20年間に渡って受けるときと、1億円を一時に受けるときでは経済的価値が異なります。
このため相続税法第24条では、支払期間が確定している年金受給権について、年金受給年数の残存期間に応じ、残存期間に受ける年金の総額に下表の割合を乗じて評価することとしています。
| 残存期間 | 割 合 |
|---|---|
| 5年以下 | 70% |
| 5年超〜10年以下 | 60% |
| 10年超〜15年以下 | 50% |
| 15年超〜25年以下 | 40% |
| 25年超〜35年以下 | 30% |
| 35年超 | 20% |
例えば、親の現金1億円を子が相続する場合、その相続税評価額は1億円です。一方、子が相続後に500万円を20年間受取る年金受給権を相続する場合の相続税評価額は、1億円×40%=4,000万円となります。
(3)相続税法第24条の問題点
現行の相続税法第24条の規定については、実務家の間で次のような問題点が指摘されています。
[1]年金総額に乗じる割合
年金受給権の計算上、年金の総額に上表の割合を乗じます。上表の割合は昭和25年当時の基準年利率や平均余命年数等を基に算定されたものであり、現状に合わないものとなっています。
(2)の例でも、年金の総額1億円に対して評価額が4,000万円と6,000万円も圧縮されることになり、一時金と年金受給権の経済的価値の違いがあるとはいえ、評価の妥当性について問題があります。
[2]年金から一時金への変更や解約ができる場合
現行税制では、年金から一時金への変更や解約ができる場合でも、年金受給権として相続税法第24条により評価します。しかし、現実には一時金で支給を受けることができる金額は、年金受給権の評価額を大幅に上回っているようです。年金受給権の評価額と一時金との乖離に着目した金融商品も販売されており、課税の公平の見地から問題があります。
3. 国税庁の税制改正意見
2.(3)で指摘した相続税法第24条の問題点について、課税当局においても是正が検討されています。
例えば、国税庁が作成した「税制改正意見」では、平成18年度から平成20年度まで連続して、次の通り相続税法第24条の改正が要望されています。
(1) 相続税法第24条に規定する定期金に関する権利の評価方法の適正化を図る。
(2) 定期金に関する権利(年金受給権)のうち、定期金受取人(受給権者)の選択により一時金で支給を受けることができるものは、相続税法第24条の規定によらず、課税時の解約返戻金の額により評価する。
最近、一部専門誌においても、同様の改正情報が掲載されており、国税庁が引き続き相続税法第24条の改正を要望していることは間違いありません。
年末発表の平成21年度税制改正に向けて、相続税法第24条の適用を前提にした相続税対策については、慎重な対応が望まれます。


